吃音とは

吃音の症状

  • 吃音とは、「どもること」で、「きつおん」と読みます。
  • 吃音の代表的な症状として、以下のような特徴があります。

1.繰り返し(連発性)

言葉を繰り返す(ex.「なななごや」)。 

 

2.引き伸ばし(伸発性)

言葉を伸ばす(ex.「なーごや」)。

 

3.阻止(難発性、ブロック)

始めの言葉が出にくい(ex.「・・・なごや」)

  • 吃音は語の始めの音(語頭音)で生じやすいとされていますが、個人差があり、様々なタイプが確認されています。
  • 他にも、言葉が出にくい時に顔面が震えたり、手足などを動かしてしまう「随伴運動」や、「あのー」、「えーと」などの文句を付ける「挿入」(逃避行動)、どもることを恐れて話すこと自体を避けてしまう「回避」などの症状が見られます。そのため、表面的な症状の重さと、悩みの深さは、必ずしも一致しないということが指摘されています。
  • 吃音が起こる状況も人それぞれで、「緊張する場面でどもる」という人もいれば、逆に「リラックスしているとどもる」人もいます。また、自分の名前や特定の音など、「言いにくいことば」を持っている人が多いとされていますが、状況によってはすんなりと言えることもあります。この捉えどころの無さが、吃音の難しさのひとつになっています。

吃音の種類

  • 多くは子供の頃(3~4才)に発症し、程度の差はあれ、全人口の約1%が吃音を持っていると言われています。 なお、女性よりも男性のほうが多く、男女比は凡そ3~5:1とされています。
  • 成長の過程でどもるようになった「発達性吃音」、脳の器質的な損傷に起因する「獲得性吃音」、心理的な要因から生じる「心因性吃音」といった類型が提唱されていますが、それぞれの区別は容易ではないとされています。

吃音の原因

  • 吃音の原因として、体質、ストレスへの反応、脳機能の特徴など様々な可能性が指摘されていますが、未だはっきりとしたことは分かっていません。そのため、治療方法も十分に確立されず、現在に至っています。 ただし、「親の育て方が悪いので吃音になる」といったような、環境のみが原因という考え方は、現在は支持されていません。